深刻な「ゲーム障害」 仮想より現実の体験を
先日、「ゲーム障害」が病気と認められた事をご紹介しましたが、
WHO(世界保健機構)にその提言をした久里浜医療センター院長の
樋口進さんの記事が、6月30日の大分合同新聞に掲載されていたので、
続けてゲーム依存のお話しにしようと思います。
数年前に、日本小児科学会が別府で市民講座を開催した折に、
ちょうど樋口先生の講演を聞く機会がありました。
あまりに衝撃的だったので、鮮明に覚えているのですが、
いかにゲーム依存が深刻かということ、
そして、誰でも簡単に依存症に陥るということ、
治ることのない病気だということを教わりました。
樋口先生は、毎週火曜日にネット依存の子供たちの診察をしていて、
二か月に一回新患の予約を取るそうですが、
一日で300件もの電話があるとのこと。
年間1800を超える久里浜医療センターのネット依存外来受診者の
9割がゲーム依存症といいます。
ただ、樋口先生は
「ゲームにはまっても、ゲームより大事なものを見つければ大丈夫」
ともおっしゃっています。
新聞の記事は、「現実の世界を豊かにしなければいけない。」
「現実世界が充実すれば、黙っていてもゲームの時間は減ります。
AI時代を生き抜くためにはバーチャルよりリアル(現実)の
体験が必要なんです。」という、心強い言葉で締めくくられています。
依存症にならないためには、2時間以上ゲームを続けてはいけないそうです。
お休みの日、ついついゲームに夢中になることもあるでしょうが、
日本小児科学会のガイドラインである、この2時間を、
ぜひ、ご家庭での約束事として守るようにしましょう。