【数学の受験対策】~消しゴムを使わない勉強法~
こんにちは! 慶林館ゆめタウン中津校の高校部理系講師の月脚です。
10月も残りわずかとなりました。最近は一段と肌寒くなってきており、冬物の準備を始めた方も多いのではないでしょうか。
さて、前回は大学入学共通テストの概要をお話いたしました。
今回は、大学入学共通テストの理系科目のかなめである数学Ⅰ・Aと数学Ⅱ・Bについて、お話ししようと思います。
以下は、数学Ⅰ・Aと数学Ⅱ・Bの各第問毎の出題分野と配点、時間配分を表したものです。
【1】数学Ⅰ・A (70分)
第1問 : 数と式、2次関数、集合と論理 (30点) → 20分
第2問 : 図形と計量、データと分析 (30点) → 20分
第3問 場合の数と確率
~ : 整数の性質
第5問 図形の性質 (いずれか2問を選択、各20点)
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。→ 各15分
【2】数学Ⅱ・B (60分)
第1問 : [1] 三角関数
。。。。。。[2] 指数関数、対数関数 (30点) → 18分
第2問 : [1] 微分法、積分法
。。。。。。[2] 図形と方程式 (30点) → 18分
第3問 確率分布と統計的な推測
~ : 数列
第5問 ベクトル (いずれか2問を選択、各20点)
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。→ 各12分
では、数学Ⅰ・Aと数学Ⅱ・Bについて個別に見ていきましょう。
【1】数学Ⅰ・A
数学Ⅰ・Aに関しては、試験時間は前年まで60分でしたが、今年の共通テストでは70分となります。また出題範囲も幅広く、各分野の内容について聞かれています。
特に第1問、第2問では扱う出題分野が多いので、各々の問題でそこまで深く掘り下げた問題がなかなか作るのが難しいと考えています。
また、問題の問われ方も大きく変わり、第1問、第2問の各分野の習った内容を駆使して
「グラフの特徴や扱い方を選択する問題」
「日常生活で数学を扱う(主に建築設計が多く見られる)場面を想定した問題」
「会話文を読んでその場面の内容を理解し、適切な答えを選択する問題」等
文章を正確に理解し、思考して問題を解く内容が主になっております。
受験対策としては、まずこの問題形式に慣れておくために
「共通テスト対策用の問題集や模試等の演習及び解きなおしを行うこと」
「各分野の扱う公式を覚えて使い方を理解すること」
「単元ごとの基本問題を演習し解けるようになること」をお勧めします。
また、問題文自体長くなっていますので、文章を速く正確に読み進める練習もしておきましょう。
第3問~第5問に関しては、すべて学校の授業で習った範囲の方が大半だと思われます。
3問から2問選択になりますが、一度すべての問題を眺めておくことをお勧めしたいです。
おそらく3問中1問は難易度が高い問題が出る可能性があるため、第問の10点分、すぐに解ける問題から優先した方がよいかと思います。
第3問~第5問は従来のセンター試験と計算内容についてはあまり大差がなく、+αで会話文が追加された形となっております。
1問完結型で深堀りされた内容も出てくるため、どれが簡単な内容か見極めて、すぐに文章を読み進めましょう。
【2】数学Ⅱ・B
数学Ⅱ・Bに関しては、試験時間が従来通りの60分、出題分野も変化がありません。
しかしこちらも問題の問われ方が大きく変化し、
「グラフの特徴を選択する問題、日常生活で数学を扱う(主に建築設計が多く見られる)場面を想定した問題」
「会話文を読んでその場面の内容を理解し、適切な答えを選択する問題」がふんだんに含まれており
こちらも問題文を正確に読み解く力が必要になります。
こちらについても各分野から偏りなく出題、問題量も多いため、60分間という時間で問題文を理解し、計算しマークしなければなりません。
数学Ⅰ・A、Ⅱ・Bともに各分野からまんべんなく出題され、思考力・判断力を問われる形式が多く含んでいます。
点数を上げていくためのコツは、数学は広く浅くという気持ちで、各分野の苦手な単元の基本問題を理解していくことが大事になります。
また、第問ごとに問題が1つになっている傾向が強いため、苦手な第問でも序盤から中盤までは比較的に簡単な問題が多いです。
苦手な分野も、半分程度の問題の点数をとれるようにすることで点数アップにつながります。
また、時間を計って速く問題を解く癖をつけておきましょう。
その際におすすめなのが、
“消しゴムを使わない勉強法”になります。
この勉強法をおすすめする理由は、間違いを消さないことで、“本人の思考の過程を確認できるから”です。
私もよく数学の授業のときはノートを準備させ、途中式を書いてね!といいます。人は問題に出会ったときに、最初から正解に行き着くことはまずありません。
勉強の本文とは本来、間違いを正すことにあります。
どこが間違っていたのか思考の過程を記録し、またそれを後日読み解くことで、“考える”というくせが身についていきます。
また、「間違えた!→間違いを見つける→消しゴムを使う→白紙に戻る」という一連の動作が、書いた内容もあっている解釈もあるかもしれないのに、もう1度書かないといけなくなり二度手間です。
こういった所作がなくなることで、大きな時間短縮につながります。(正確な情報を残すのも大事ですが、それは別のノートでこのノートをたよりに作ればよいと考えます。)
自分だけの“間違い”を残すことで、この時はこういう風に間違えた!正しい答えはこうだ!という同じ過ちを繰り返さないようにする記憶が残り、読み返したときに当時の記憶がよみがえり長期間にわたって覚えることができるようになります。
以下に私の生徒で実践している方がいますので、許可を得て一部掲載しておきます。
この生徒は一週間でノートが1冊なくなることもあるそうです。
数学で模試の演習をしておりますが、読み解くスピードも上がり、点数も伸びてきています。