「怖い」もの
みなさんにとって、「怖い」ものは何ですか?
授業中に生徒との雑談の中で、怖いものを聞かれたので、
私は「青虫・芋虫・毛虫が怖い」と即答しました。
国語辞書を引いてみると、いずれもチョウやガの幼虫の俗称で、
毛がないものが青虫と芋虫で、毛のあるものを毛虫と呼ぶのだと書いてあります。
身体の色が緑色のものが青虫、それ以外を芋虫、と呼ぶそうです。
ようやく涼しくなってきたこの時期、庭の草むしりをしていて、
これらに遭遇すると、恐ろしすぎて声も出ません。
彼らに気づかれないように、そうっとそうっと後ずさりして、
そこから先に草むしりを進めることができなくなってしまいます。
「嫌い」なのではなく、「怖い」のです。
「嫌い」は、「好みに合わないこと。いやだと思うさま。」ですが、
「怖い」は、「危険などを感じて身がすくむ思いである。危害を加えられそうで逃げ出したい。恐ろしい。」と辞書に載っています。
「好みに合わない」などという生易しいものではありません。
本当に「危険を感じて」実際に逃げ出します。
私の中の本能的な何かが「危険だ」と判断しているのでしょう。
ちなみに、地を這う毛虫の歩みが、いかに速いかご存知ですか?
遠くに見えていて、目の端にその存在を捉えてはいても、
走ってくるわけじゃないし、追いかけてくるわけもないと自分に言い聞かせて、
頑張って草むしりを続行したとします。しばらくして、ふと顔を上げると、
ものすごい勢いで私をめがけて毛虫が突進してくるではありませんか!
冗談と思われるかもしれませんが、一度や二度ならず、この恐怖を味わってきたのです。
※これはおそらく「ヒトリガ」の幼虫です。
道路をもぞもぞと横切っていることもあるので、動画でもアップされています。
興味のある人は検索してみてください。
草の葉に、幼虫たちがくっついていたとします。
私を見つけたとたん、彼らは、ヘビが鎌首をもたげるように、私を威嚇します。
アゲハチョウの幼虫が最強です。
擬眼というのでしょうか、目のような模様がくっきりとついているあれです。
あれに睨まれると、もう、恐怖で震えあがります。
どうして、こんなに怖いのか、そのわけはよく分かりません。
小さい時に、背中に毛虫を入れらて、背中が腫れて、ひどく熱を出したこともあります。
「柿の実だよ」と手のひらに丸まった青虫を載せられ、
むにゅっと動かれて「ぎゃーっ」と叫んで振り落としたことも覚えています。
しかし、それらの体験より前から、苦手でした。
これらのいたずらのお陰で、恐怖に拍車がかかったことは、間違いないですが・・・。
もう何十年も経ちますが、「背中に毛虫事件」「手のひらに偽柿の実事件」、
どちらの犯人も、フルネームが言えます(笑)
私の連れ合いは、ヘビとクモが苦手ですが、私は平気なので、追い払ってあげます。
代わりに、料理中にキャベツや白菜に幼虫がついているときは、連れ合いが助けに来てくれます。
この時ほど頼もしいと思うことがあるでしょうか。
人は助け合って生きているなと実感します。
さて、もう一度聞きます。
みなさんの「怖いもの」は、何ですか?